ソフィア・外国語研究協会

ソフィア・外国語研究協会は、
ボキャブラリーに特化した
語学検定試験を提供しています。
トップページサイトマップ お問い合わせ

外国の娯楽本を読む意義 – 『わんぱくニコラ』に垣間見るフランスの文化 -

 一口に本といっても様々な本がありますが、2つに大別するとすれば、一つはシリアスな本、もう一つはエンターテイメント(娯楽)のための本と分けることができるでしょう。

 学問や研究のために外国の本を読む意義は明白なので、ここでは娯楽として外国語の本を読む意義について考えてみましょう。

 例として『わんぱくニコラ』(現在『プチニコラ』の邦題でも出ているようですが、筆者のもっているものは同タイトルで出ています)を取りあげてみます。

 娯楽本は楽しむためにあることは明白だとしても、それ以外にも大いに意義を見いだすことができます。その意義とは、知らず知らずのうちに外国の文化がかいまみれること、そして、それにより外国人の物の見方や考え方に近づくことができることです

 『わんぱくニコラ』は小学生ニコラの学校生活や家庭生活を描いた娯楽本です。いたずらをして先生にしかられた話や、成績表を両親に見せたらどんなにしかられるか心配した話、好奇心からタバコを吸ってみた話、学校をさぼった話など、日本の小学生にも共通する、いわゆる「あるある」話で最後に落ちがあるのでおもしろおかしく読めます。

 同書には次のような箇所があり、日本とは異なるフランス独自の文化をかいまみることができます。

「せんせいははらをたてて、ユードに罰の宿題としてつぎの文章の動詞の変化をやってくるようにいいつけた」

「せんせいは(中略)アルセストに罰をやった。つぎの文章を百ぺん書くんだ」

「きみは、つぎの文章の動詞の変化を書いてきなさい」

「視察官がぼくらに書き取りをさせることもあるから」

 このような箇所から、フランスの小学校では罰としてフランス語の動詞の変化を書かせたりすることがあるのだということが分かりますし、またそれだけフランス語の動詞の変化は複雑だということも推測することができます。

 映画などでも欧米人が挨拶代わりにほっぺにキスをする場面をよく見かけますが、キスをするのは恋人同士だけはないことが下記のような箇所から伺えます。

「四時になって、ママのお友だちが、女の子をつれてやってきた。ママのお友だちはぼくにキスをして」

「ドアをあけてくれたのはアニャンのママだ。「なんてかわいんですこと!」といって、ぼくにキスしてから、アニャンを呼んだ」

 以上はほんのわずかな例にすぎませんが、このように娯楽本であっても、楽しみながら読んでいるうちに、知らず知らずのうちに外国の文化をかいまみることができることが分かります。

 筆者は、外国の文化を知ること自体、外国の文化の理解につながるものと考えています。娯楽本そのものを楽しむと同時に外国の文化を理解することは洗練された趣味の一つといえるでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>