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日本の外国語教育は「普通」ではない

 日本に生まれ、日本だけで暮らしていると、日本の文化や慣習があたりまえだと思ってしまいがちです。日本以外の文化や慣習に触れる機会がほとんどないのですから、それも当然といえば当然でしょう。

 ところで、日本の中学・高校では、外国語といえば英語と考える人がほとんでしょう。英語以外の外国語を教えているところもありますが、全履修者のわずか1%ていどに過ぎないので、日本の中学・高校では事実上「外国語=英語」といえます。

 英語は国際語であり、かつ世界語でもあります。これは紛れもない事実です。そして、英語に勝る国際語・世界語はこの後、永遠に生まれてこないとすら言われています。

 ですから日本の中学・高校で外国語を英語に絞って教えることは、一見、理にかなっているようにも思えます。

 日本の中学・高校を出た筆者は「外国語=英語」というのが当たり前で、他の外国でも事情は同じだろうと思っていました。

 ところが『マルチ言語宣言』を読んでいるうち、実情はまったく異なることが判明しました。

 同書によれば「事実上、外国語を英語一言語に限っている国は、旧アメリカ植民地のフィリピンと日本をのぞいて他には全くない」(『マルチ言語宣言: なぜ英語以外の外国語を学ぶのか 』197ページ)そうです。これには心底、驚きました。

 つまり、日本は、外国語教育において非常に珍しい国(同書の言葉でいえば「普通ではない」)のです。

 英語一辺倒にするのは良い側面もあるでしょうが、同時に悪い側面もあります。例えば、日本の文化が必要事情にアメリカナイズされる危険性があることは悪い側面として考えられるでしょう。

 しかし、英語以外の言語を学べば、自然とその言語が話されている国にも意識が向くし、そうすることでその国の文化理解にもつながるのではないかと筆者は思います。

 筆者自身、40才を過ぎるまで英語一本槍でしたが(大学時代に第二外国語でドイツ語を学んだものの、単位を取るためだけの勉強に過ぎませんでした)、40歳を過ぎてからドイツ語、フランス語、イタリア語と学習してきて、ドイツ、フランス、イタリアにも興味が湧き始め、ドイツ映画、フランス映画、イタリア映画も見るようになりました。英語以外の言語を学ぶことで、英語圏以外の国々にも意識が向くようになった格好の例といえます。

 もっとも、外国語の習得は簡単なことではないので、一人で何か国語もマスターするというわけにもいかないかも知れません。

 しかし、A2レベルくらいの実力でも易しめの本は読めるわけであるから勉強する意義は十分にあると思うし、A2レベルまでで良ければ3か国語か4か国語を習得するのは不可能なことではないとも思います。

 別に「脱英語化」はしなくてもいいと思いますが、英語以外の言語も学ぶと、自然とその国の文化にも意識が向くのではないかと思います。そしてそれがひいてはその国の文化理解にもつながることでしょう。

 日本は外国語に関しては世界でも非常に珍しいほどの「英語一辺倒」の国なので、ある一定の数の学習者が英語以外の外国語に興味を持つことは日本にとっても有意義なことだと考えます。