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丁寧な言葉使いー面子とは

 外国語を学ぶ上で覚えておきたいことは、ただ単に外国語が話せるようになるだけでなく、丁寧な言葉使いができるようになることも心がけたほうがいいということです。

 せっかく外国語が流暢に話せるようになっても、丁寧の言葉使い方を知らなければ、外国語が話せるがゆえに敵を作ってしまいかねません(これは外国語だけでなく、母国語でも同じことですが…)。

 さて、丁寧な言葉使いの一つの要因である「面子」について考えてみましょう。

 『世界の英語と社会言語学―多様な英語でコミュニケーションする 』にはポライトネスの要因の1つに「面子(face)」があげてあります。

 では「面子」の定義は何でしょうか。同書から引用してみましょう。

 「面子」とは「すべての成員が主張することを望む公的な自己イメージ」のことであり、次の2つの要素から構成されています。

 「肯定的面子」(相互作用の参与者が持つ肯定的な自己イメージや人格。自己イメージが評価されたり、認められないという面子も含む)

 「否定的面子」(領域、個人的領域、特別扱いされないことへの権利、つまり、自由に行動する権利と何かを押し付けられない権利)

 誰でも自分の面子が脅かされる言動をされると引いてしまうものですが、具体的にどのような言動が面子を脅かすのでしょうか。例を見ていきましょう。

 まずは「肯定的面子」が威嚇される例から見ていきましょう。

(1)「(1人の少女がもう1人の少女に)メアリーはあなたが太ったと思っているよ」

 こういう言い方をすれば、話し手は聞き手に悩みを生じさせてもかまわないと思っていることを示したことになります。ゆえに聞き手とっては失礼な言い方になります。

(2)「すでにレポートは完成されているはずではないのですか?」

 これは柔かい批判ですが、聞き手の自己イメージを脅かす可能性があります。

 次に「否定的面子」が威嚇される例を見ていきましょう。

(1)「何日間か、1万円貸してもらえないですか?」

 この場合、話し手は聞き手にお金を貸してほしいと申し出ており、聞き手の「否定的面子」を脅かしていることになります。平たくいえば、このような依頼を受ければ、聞き手は、それなりに理由が考えて断らなければならなくなり、精神的な負担がかかってしまうという
ことです。

(2)「私があなたの立場なら、すぐに病院に行きますね。その症状は危険ですよ」

 この場合、話し手は聞き手にアドバイスを与えています。しかし、こういったアドバイスは聞き手の自由に行動する権利に制限を与えようとするものと言え、聞き手としては耳障りに思えるでしょう。

(注、上記に挙げた例はあくまで例であり、文化によっては面子を威嚇するものと見なされないこともあります)。

 母国語でも言えることですが、外国語でも何かを発言する際は相手の面子を潰さないように心掛けることが望ましいですね。