イタリア児童文学にかいまみるイタリアの風習
みなさんは日常生活の中で他人がキスをしているシーン、よく見ますか?
私はあまり見かけません。もっとも夜中に公園などのデートスポットにでも行けば話は変わってくるかもしれませんが(笑)。
しかしイギリスは違います。昔、私がイギリスに留学していたころ、ほとんど毎日のようにキスをする人を街中で見かけたものです。
公園で、街中で、レストランで、バーで、そして大学の構内ででも…。
カップルがキスをしているのを毎日のように見かけました。
それだけではなく、私がホームステイしていた家庭では、親子の間で「お休みのキス」というのをほぼ毎日見かけました。お父さんと息子が眠る前にほっぺにチューをするのです。
男同士のキスなので、最初は度肝を抜かれたものでした。
イギリスではキスをする人があまりにも多いのか、あるプールでは、「遊泳中にキスをすることを禁じる」という掲示が出ているのを見たこともあるくらいです。
さて、イタリアはどうか。
イタリアもキスをする文化なんですね。『クオーレ (新潮文庫)』から抜粋します。
「デロッシはカラブリアの青年を抱きしめ、澄んだ声でいった。『ようこそ』。するとカラブリアの子がデロッシの両方の頬に強くキスをした」
これは男の子どうしのキスです。
「先生はぼくにキスをして、階段の下までいってから、また声をかけた」
これは先生が生徒にキスをしています。
「かあさんは、財布にあったお金をそのひとに全部あげると、男の子に口づけをした」
これはある女性が別の家庭の子供にキスをしています。
このように文学作品に触れると、その国の風習も垣間見ることができます。こういう外国の風習が垣間見れることも、海外の作品を読む楽しみの一つですね。