日本で受験できる外国語の試験で有名なものに英検・仏検・独検・伊検・西検・中検がある。
「〇検」という呼称自体は非常に似ているが、同じ等級でもレベルが非常に異なったり(例えば、西検4級は難易度的には英検2級~準2級に相当するといわれている)、試験時間の長さも異なれば、2次面接が課される級も異なる。
ここでは筆記試験の時間を比較し、ランキングしてみよう。すべてで38種類ある筆記試験を比較してみると次のようになる。(単位は分)
1 | 仏検1級1次 | 180 |
2 | 仏検準1級1次 | 155 |
3 | 仏検2級1次 | 145 |
4 | 英検1級1次 | 130 |
5 | 伊検1級1次 | 120 |
5 | 伊検2級1次 | 120 |
5 | 伊検準2級 | 120 |
5 | 中検1級1次 | 120 |
5 | 中検2級 | 120 |
5 | 中検準1級1次 | 120 |
5 | 仏検準2級1次 | 120 |
5 | 独検1級1次 | 120 |
5 | 英検準1級 | 120 |
14 | 英検2級1次 | 110 |
15 | 伊検3級 | 100 |
15 | 中検3級 | 100 |
15 | 中検4級 | 100 |
15 | 英検準2級1次 | 100 |
19 | 西検1級1次 | 90 |
19 | 西検2級1次 | 90 |
19 | 西検3級1次 | 90 |
19 | 独検準1級1次 | 90 |
23 | 伊検4級 | 80 |
23 | 伊検5級 | 80 |
23 | 独検2級 | 80 |
26 | 仏検3級 | 75 |
26 | 英検3級 | 75 |
28 | 英検4級 | 65 |
29 | 中検準4級 | 60 |
29 | 仏検4級 | 60 |
29 | 西検4級 | 60 |
29 | 西検5級 | 60 |
29 | 西検6級 | 60 |
29 | 独検4級 | 60 |
29 | 独検3級 | 60 |
36 | 仏検5級 | 45 |
36 | 英検5級 | 45 |
38 | 独検5級 | 40 |
堂々の1位は仏検1級1次である。なんと180分だ。長い。これを知っただけでも失神しそうだ。
同じ1級でも西検1級1次は90分だ。仏検1級1次のちょうど半分だ。でも、だからといって西検1級1次のほうが遥かに簡単かといえば、けっしてそんなことはないように思える。それは一度、西検1級1次の過去問を見れば、即座に分かるはずだ。西検1級1次にはリスニングがないからか90分と短めになっているが、リスニング能力は2次試験でたっぷり審査されることになっている。1次は筆記のみに専念させているわけであるが、西和翻訳のみならず、和西翻訳もあり、それが超難問なのである。90分のほうが180分のほうが受けやすいことは受けやすいが、試験時間が短いからといって簡単に合格するというわけではない。
2位も3位も仏検だ。これからも分かるとおり、仏検はやたらと長い。長いったら長い。仏検は準2級以上でディクテが課されるので、それで試験時間が長くなっているだろう(ちなみにディクテでは同じ文を4回も繰り返し聞かされることとなる)。にしても長い。ちなみに仏検は1級と準1級の併願はできないので(1級は秋のみ、準1級は春のみ開催なので物理的に不可能)、併願した場合に最長時間となるのが2級と準1級の併願だが、これをやると145分+155分で合計300分となる。300分といえば5時間だ。5時間はきつい。想像しただけで頭がフラフラだ。日本で受けられる検定試験の中で仏検2級と準1級の併願が最も過酷な試験の一つといえるだろう。
4位は英検1級1次だ。さすがは英検1級だ。仏検のようにディクテがあるわけでもないのに4位につけている。昔は英検1級といっても今ほど難しくなく、私の昔の同僚でTOEICで700点台の女性が英検1級に合格したといっていたので、ぴっくりしたことがある。でも今はTOEIC950点くらいはないと合格も難しいのではないかと思われるくらい難しくなったようだ。
5位は時間としては120分だが、これに該当するのは、伊検1級、伊検2級、伊検準2級、中検1級、中検準1級、中検2級、仏検準2級、独検1級、英検準1級と9つもある。正直にいえば、今の私にとっては、120分でも長い。
そういう意味では100分くらいの試験が今の私にはちょうどあっているかなと思う。これくらいなら神経の集中が持続する自信がある。しかし、これに該当するのは伊検3級、中検4級、中検3級、英検準2級の4つだけである。
さて、では最下位争いはどんなものか。
候補となるとは、それぞれの言語の最も低い級だろう。つまり英検5級、独検5級、仏検5級、中検準4級、伊検5級、西検6級のいずれかだろう。
この6つの中で伊検5級のみ80分の時間である。私の経験から言っても、伊検5級はその他の言語の最も低い級と比べれば遥かに難易度は高い。この80分という試験時間の長さからもそれは伺えるかもしれない。
西検6級は「6」という数字がことさらに「易しさ」を醸し出しているが、英検でいえば4級レベルに相当するといわれている。ただし、60分も必要かと言われれば、ノーである。私が受験したときは、ほとんどの人は途中退室していた。しかも、退出可能時間になったとたんに退出する人も少なくなかった。40分もあれば十分な試験だ。ただし、先ほどもいったとおり、難易度的には英検4級レベルであることは私も異存はない。
では、最も試験時間の短いのはどれか。答えは、独検5級の40分だ。これくらいの長さの試験なら気楽に受けられるだろう。以上、筆記試験の長さを比較検討してみた。
(注:情報は2018年5月現在のものです。情報には注意を払っておりますが、その正しさを保証するものではありません)