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関口存男「語学の天才」とも言われる関口存男(写真=by 三修社)。

彼はどんな人物だったのか。彼の伝記、『ことばの哲学』から拾ってみよう。

彼は周りの人たちから「語学の天才」とも呼ばれていた。それもそのはず、アテネ・フランセでフランス語を学び始めてから2年後には教師に任命され、フランス語でフランス語を教え始めたのだ。しかも、その後ラテン語もマスターしそれをフランス語で教えていたというのだから驚く以外にない。

しかし彼は「語学の天才」と呼ばれることを迷惑に感じていた。というのも、彼自身、自分には語学力には天才的なところはなく、「意識的に、努力的に、企画的に、ヤットのことででっち上げ、ヤットのことで持ちこたえている」にすぎないと思っていたからである。

はたしてそんな彼のメソッドはどのようなものだったのか。

まずはスピーキングから見てみよう。

(1)長い文章をそのまま暗記する「ペラペラ式メソッド」                                      

これはトロヤ遺跡を発掘したシュリーマンも行っていたメソッドである。ちなみにシュリーマンは毎日1時間これをやっていたという。

次にリーディングを見てみよう。

(2)ムツカシイ書物を次から次へと読んでいき、わからない単語や句があっても読み進める。

彼は、レクラム本をいくつかに分けて薄くしたものを、いつもポケットに入れて、食事の前後や学科の訓練のあいだのわずかな時間、あるいは寝る前などに取り出しては読んでいたそうだ。

ドイツ語講師になってからの彼の口癖は「第一多読、第二多読、第三多読、ドイツ語上達にしはこれしかない」だったらしい。そして一日十ページ読むことを生徒に課したという。

次にライティングを見てみよう。

(3)逆文

自分でドイツ語を書いてもそれが正しいドイツ語かどうかは分からない。下手をすると変な癖がつきかねない。そこで彼は「独文をまず日本語にお直ししなさい。そして、忘れた頃に、その日本語をもとの独文に直してご覧なさい。これを(逆文)といいます」といって逆文を勧めていた。たしかに逆文であれば、自分が書いたドイツ語が文法的に正しいか否かがすぐに分かる。

彼のメソッドがすべての人に適しているかは分からない。しかも今は彼の生きた時代とはずいぶんと変わったので異なるメソッドも採用しうる。彼のメソッドを参考にしながら、自分に合ったメソッドを見つけるといいだろう。