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英会話学校の存在意義

 成毛眞氏は著書『日本人の9割に英語はいらない』の中で次のように述べています、

「語学に関しては”泥縄”でいいのではないかと思う。泥縄とは、泥棒を捕まえてから縄をなう、つまりことが起こってから慌てて対策を立てるという意味である。海外支店の勤務が決まったなら、海外に行ってから慌てればいいし、もし外国人の上司が配属されることになったのだとしても、上司が来てから慌てればいい。何も起きていない段階で、「グローバル化の流れに置いていかれる!」と焦る必要はないのである(中略)しばらく現地で生活する場合は現地の言葉を話せないと生きていけない。そういう切羽詰まった状態になれば、誰でも外国語は身に付くのである」
 
「留学前に英会話を勉強することもないだろう。英会話スク-ルは日常英会話を教えるのがきわめて下手である。英会話スク-ルの講師は、日常会話で使われる単語やセンテンスを覚えさせず、英語で会話をしているフリをさせているだけである」

「私は本気で、英語が上達する一番の方法は英語圏の国に行くことだと考えている」

「日本の英会話スクールで教えているのは、現地では通用しない「使えない英語」なのである」

「英会話スク-ルのカモになるな」

 「カモる」とは、人を騙したり、利用したりして利益を得ることをいいますが、はたして英会話スク-ルに通うことはそれほど危険なことなのでしょうか。著者が疑問に思うことは、成毛氏自身、英会話スク-ルに通った経験があって、このようなことを述べているのかということです。(ちなみに同氏は同書の中で「私はこれといって英会話を勉強したことは一度もない」と述べています)。

 英会話スク-ルに通っている人にもさまざまな人がいることでしょう。自ら進んで通い始めた人もいるでしょうし、会社から強制的に受講させれられている人もいるでしょう。しかし英会話スク-ルの「カモ」になったと認識している人がどの程度いるでしょうか。成毛氏が思うほど、英会話学校に「カモ」にされている人は多くはないだろうというのが著者の実感です。むしろ、それなりに有意義な経験を積んでいる人のほうが多いのではないかと思います。
 
 成毛氏の主張に同感する部分がまったくないわけではありません。例えば、「英語が上達する一番の方法は英語圏の国に行くことだ」という主張に関しては著者も同感しています。著者がイギリスに留学したときの実感で言えば、日本で英語を勉強するのとイギリスで英語を勉強するのとでは、上達のスピ-ドは4~5倍くらい違うように感じました。言い換えれば、日本で勉強していては4~5年かかることがイギリスでは1年で身に付くということです。特にリスニング能力とスピ-キング能力については当てはまると思います。

 しかし英会話学校に通う意義がないとは思いません。英会話スクールと一口にいっても全国には膨大な数の英会話スクールが存在していますし、その講師の数となるとその何十倍にもなるでしょう。成毛氏は、そのすべてを全否定しているかのような主張をしていますが、全否定しなければならないほど英会話スクールはひどいとは思えません。

 著者は、生徒として英会話学校に5、6校に通い、英会話講師として2校に勤務した経験がありますが、その経験を通して感じていることは、英会話学校で学ぶことは、泳ぎたい人が海に飛び込む前にプールで練習するようなことであり、それはそれで、それなりに役に立つということです。

 英会話学校で日常英会話ではあまり使われない単語やセンテンスを覚えさせられることも皆無ではありませんが、それは「プール」で泳ぐ練習段階で必要だから覚えているわけであって、何の意味もないわけではないと考えます。例えば、「プールサイドで走ったらいけない」というのは、プールサイドでは走ると滑りやすいからです。海辺はプールサイドではありませんから、「海辺では走ってはならない」というルールを教わらないだけにすぎません。プールで泳ぐときに「プールサイドでは走ってはならない」というルールを教わり、それが海で泳ぐ際に必要でないからといって、プールで練習すること自体が海で泳ぐ上で何の役にも立たないということにはなりません。それと同じことです。

 実際、プールで泳ぐことに慣れてから海に飛び込んだほうがいいという場合もあるように、英会話学校で英会話に慣れてから現地に行ったほうがいいという場合もあるでしょう。そういう意味でも、英会話学校の存在は否定すべきではないと考えます。実際、著者の経験からいっても、英会話学校では基本的に日常でよく使われる単語やセンテンスを学ぶことが多いです。しかも講師がネイティブの場合は、実際にネイティブとフリーカンバセーションをすることもあるわけですから、成毛氏のいう「英語で会話をしているフリをさせているだけである」というのは妥当ではありません。というのも、「フリをさせている」ことがあったとしても、「フリをさせているだけ」ではないからです。いずれにしても、英会話学校で英会話の練習しておけば、それなりに役に立つはずですし、現地に行く前に少しでも英会話に慣れようと思えば、英会話学校で英会話の練習しておくことは有意義なことだと考えます。

 

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