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英語のネイティブ並の綺麗な発音を目指すべきか

 みなさんは、英語のネイティブみたいな発音になりたいと思っておられるでしょうか?

 筆者は中学、高校と英語が得意科目だったこともあり、ネイティブみたいな綺麗な発音でペラペラ英語が話せるようになりたいという憧れはありました。

 ただ、筆者は純粋な日本人ですし、ネイティブなど見たことがないという田舎出身で、高校の授業でもスピーキングのトレーニングなどありませんから、話せるわけはありませんでした。いや、その前に、英語を聞いてもわかりませんでした。

 そんな筆者が英会話学校に通い始めたのは23歳のとき。

 当時は大学1年から受け続けていた英検1級が何度も何度も落ち続け、だれかに頼りたいという一心で、ボーナスを全額はたいて英会話学校に入学したのでした。

 その後もボーナスをもらっては英会話学校に全額投資し、またボーナスをもらっては全額投資し…ということを繰り返していました。

 お世辞だろうと思いますが、筆者の発音が綺麗だといってくれる人もいましたが、それはまさにお世辞で、実際、自分が話す英語をテープに録音して聞いたときのショックはありませんでした。

 その後、筆者は30才の手前でイギリスに留学。

 留学前の私は、2年間イギリスで全力で英語に磨きをかければ、ネイティブに近い発音になれると信じていました。

 ところが現実はそう甘くはありませんでした。

 留学前よりは流暢に話せるようになったとは思いますが、やはり発音は、どうしても日本語のアクセントは残りました。もちろん、お世辞にもネイティブとはほど遠い。

 もちろん、イギリス在住の2年間は、必死に英語をしゃべり、必死に英語を聞き…ということを繰り返したのです。しかし、それでもアクセントは消えなかったのです。

 言語学の専門書にある実験結果が載っていました。

「ネイティブと見分けがつかない」を1点、「強いなまりがある」を5点として、発音を5段階評価で点数をつけます。

 6歳から10歳の間にアメリカに移住した子供の平均点は、1.27

 11歳から15歳の間にアメリカに移住した子供の平均点は、2.27

 16歳から20歳の間にアメリカに移住した子供の平均点は、3.72

 (いずれも移住してから12年以上経ったあとでの実験です)。

 「7歳から12歳のときにアメリカに移住し、5年以上アメリカに滞在した場合、ネイティブ並の発音を獲得する可能性は50%」らしいです。

 となると…、筆者は30歳でイギリスに留学し、2年間だけしか滞在していませんでしたから日本語のアクセントが取れないのはむしろ自然なことだったのです。

 大人になってからでもネイティブ並の発音を獲得する人もいるらしいですが、それはあくまで例外中の例外だそうです(ただし、母国語とターゲットの言語の発音がどれくらい似ているかという点も考慮しなければならないでしょう)。

 一口に「英語力」といっても、発音だけがすべてではありませんから、成人してから英会話能力を身に付けようと思うのであれば、話す内容とか流暢さなどといった発音以外のことに重点を置いたほうがいいでしょう。

 発音をネイティブに矯正してもらうのがいけないわけではありませんが、成人したあとではネイティブ並の発音を獲得するのは極めて困難であるという事実は頭に入れておくべきでしょう。

  ただし、発音を矯正することに意味がないと言いたいわけではありません。それはそれで意味のあることだと筆者は思います。

 ここで綺麗な発音で話すことについて、元外交官の平泉渉氏の見解を引用します。

発音を抜いて語学はない。英語の魅力の99%が発音。ある言語をどういう音から構成するかはその国の文化が決める。その国の人たちが一つ一つの音を永い間に吟味し、ある音は捨て、ある音は取り入れて、全体として一つの言葉のシステムが出来上がる。それが言語でしょう。嫌いな音はその言語から除外される。厳しいものです。国際共通語としての英語は、もうイギリスやアメリカの国民たちが育ててきた言葉と同じものではないといわれればたしかにそうですが、その音は今のところ永い年月をかけて自然に育てられてきた英米語の音の美しさには及ばない。高名な外国人の日本文学者でも、あまりにもその日本語の発音が悪いのにびっくりしたことがあります。これで日本の美が解るのだろうかという疑念を持ってしまいます」

 平泉氏は元外交官だけあって、さまざまな国の人と英語で話す機会がたくさんあったのでしょう。そこで「発音を抜いて語学はない。英語の魅力の99%が発音」という見解に至ったのだと推測します。

 「英語の魅力の99が発音」とは言わないものの、筆者もネイティブスピーカーが話す英語に近い発音で話せるようになることに魅力を感じることは感じています。

 よく、「ジャパニーズイングリッシュであろうがなんだろうが、通じさえすればいい」というようなことを言う人がいますが、それを言い出したら、切りがありません。例えば、「今や文書はパソコンで書くから、綺麗な字が書けるようになっても意味はない」と言うのと大差ないでしょう。

 綺麗な発音にすべく努力することも、綺麗な字が書けるよう努力することも、ある人によっては「必要ない」かもしれませんが、別の人にとっては「魅力のあること」です。そこに魅力を感じる人にとっては意味のあることであり、魅力を感じない人にとっては意味のないことにすぎません。

 成人してからだと発音の矯正が難しくなるとはいっても、発音の矯正が不可能になるというわけではないのですから、自分のできる範囲内で、発音を矯正すべく努力することはそれなりに価値のあることではないかと筆者は考えます。

 綺麗な発音を目指したいという人は、筆者なら、ネイティブとのマンツーマンのレッスンをお勧めします。グループレッスンでは、発音を矯正してもらうといっても効率が悪いからです。しかも、複数の生徒がいれば、先生だって矯正しにくいでしょうから。

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