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英語以外の言語を学ぶとしたら何語がいいか

 日本の中学・高校では事実上、外国語イコール英語となっており、ほとんどの人が最低6年以上英語を学習します。さらに大学では第二外国語を(大学によっては第三学国語も)学習します。この事実を前提として、英語以外の言語を学ぶとしたら何語を学べばいいかについて考えてみましょう。

 もちろんこれは最終的にその言語を習得して何をしたいのかによって変わるでしょう。例えば、習得後にその知識やスキルをお金儲けの手段としたいと思っている人とそうでない人とでは選ぶ言語が異なるでしょう(例えば、通訳になりたい人なら通訳の仕事の需要がありそうな言語を選ぶのがよく、翻訳家になりたい人なら翻訳の仕事の需要がありそうな言語を選ぶのがよいといった具合です)し、その言語が話されている国に対する興味の度合いによっても異なります。したがって、どの言語を学ぶべきだという誰にも共通する一つの正解はないと言えるでしょう。

 ただし、ここではお金儲けの手段になるか否かは度外視し、外国人と接する機会がほとんどない日本人が独学で「読む楽しみ・聴く楽しみ」を味わえるようになるという前提で考えてみましょう。

 独学で「読む楽しみ・聴く楽しみ」が味わえるようになる最低条件として私は次の4つを挙げたいと思います。逆に言えば、この4つの条件がクリアしていなければ、「読む楽しみ・聴く楽しみ」に到達するのは極めて困難だと私は考えます。

(1)入門書が入手できること

 これが一番重要です。どの言語でもいきなり本が読めるはずはありませんから、入門書はどうしても必要です。まずはそこからスタートです。何十冊もそろえる必要はありませんが、数冊は入手したほうがいいでしょう。

仏語や独語、伊語、西語、中国語などのメジャーな言語であれば容易に入手できますが、マイナーな言語になると入手できないものもあるでしょう。マイナーな言語を学んでみたいという人は、まず真っ先に入門書が入手できるかどうか確かめてみましょう。日本語で書かれてある入門書があればそれが理想的ですが、仮に無い場合でも、英語が読めるという人なら英語で書かれた入門書(例えば『Teach Yourself』のシリーズ)を使うという手もあります。

私もフランス語、イタリア語、スペイン語、中国語の独学は入門書からスタートしました。ただし、それらの入門書をしあげてから読物を読み始めたというわけではなく、入門書で学習しながら同時に読物を読み始めました。正直、入門書を仕上げること自体、読み物を読むことで味わえる楽しみと比べれば、面白みに欠けるものです。すべて仕上げなくても、入門書に飽きたら読み物や映画に手を出してみるのもいいでしょう。

(2)その言語が話されている国から出版されている音源付きの書籍を入手できること

 入門書だけやってそれで満足する人などほとんどいないでしょう。入門書に取り組むのは、野球に譬えて言えば、ピッチングマシンを使ってバッティング練習をするようなものです。ピッチングマシンから投げ出される球が人工的であるのと同じように、入門書の文は人工的なものがほとんどです。そこに「読む楽しみ・聴く楽しみ」を見出そうとしても無理があります。野球の醍醐味はバッティング練習ではなく、試合をすることで味わえるのと同じで、外国語学習の醍醐味も「バッティング練習(入門書を用いての学習)」ではなく、「試合(その言語を意思伝達のために使うこと)」にあると思います。ただ、ほとんどの日本人にとっては英語以外の言語を話す機会はあまりありませんから、「試合」をするにはその言語が話されている国から出版されている書物を読むのが一番です。フランス語の場合はフランスの出版社から出ている書物、ドイツ語の場合はドイツの出版社から出ている書物…という具合です。

私の場合、それに音源(CD又はMP3)付きの書籍があることを条件としています。なぜなら私のようなものぐさな人間は、音源の助けを借りなければなかなか読書が進まないからです。テキストだけでは読み続けにくくても音源の助けがあればなんとかくらいついていけますし、読むのに疲れたときはベッドに横たわって聴くことに専念するという学習も可能です。また、音源のついている書物であれば、リスニング力も同時に磨けるのも魅力です。音源付きの書物が何等かの方法で入手できるか確認してみましょう。手にとってみることができる書店があるのがベストですが、仮になくてもインターネット経由で入手できるかどうか確認しておきましょう。

(3)日本で受けられる検定試験が存在すること

「読む楽しみ・聴く楽しみ」が味わえるようになるには少なくとも中級レベルまでは到達すべきだというのが私の考えです。というのも初級レベルでは「聴く楽しみ」が味わえるほどのリスニング力はありませんし、初級レベルの本を「読む楽しみ」を味わえるにしても初級レベルの本の数が少ないからです。ところが中級レベルに到達すれば、読める書籍の数はぐんと増えますし、「聴く楽しみ」も徐々に味わえるようになるからです。初級レベルで終わらせるのはとても勿体ないのです。

中級レベルまで到達するには、私の場合、検定試験が絶対に必要でした。というのも私の場合、フランス語にしてもイタリア語やスペイン語、中国語にしても、やってもやらなくても生きていく上で何の不都合も生じませんし、お金儲けにつながるかといえば(少なくとも今のところ)つながってもいません。そんな「やってもやらなくてもいい」ことを私のようなものぐさな人間が独学で続けるにはモチベーションが必要なのです。私の場合、その最も大きなモチベーションになりうるものが検定試験でした。

実際、イタリア語にしてもスペイン語にしても中国語にしても、受けられそうな検定試験(具体的には伊検、西検、HSK)が存在していることを確認してから学習を開始しました。仮にそれらの検定試験が存在していなかったら、学習を開始していなかったでしょう。

(4)電子辞書が存在すること

 良い時代になったもので、私が大学生だったころには英語の電子辞書すら存在しなかったのに、今や英語以外の外国語も電子辞書が存在します。私の場合、電子辞書が入手できるか否かも学習する言語を決める条件に入っていました。というのも、語尾変化が複雑なヨーロッパの言語を紙の辞書で引くとなると、おそろしく時間と労力がかかるので途中で投げ出すのが目に見えていたからです。

 以上、新たに学ぶ外国語を選ぶときの私の条件を4つ挙げましたが、上記の4つのすべての条件がそろうのは、今の日本では、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、中国語くらいではないでしょうか。

 ただし、上記4つの条件はあくまで私にとってのものです。ですから、例えば電子辞書がなくてもかまわないという人であれば上記4の条件は度外視して考えてもいいわけですし、検定試験がなくてもやっていけるという人であれば検定試験がない言語を選んでもいいわけです。重要なことはご自身で新たに学ぶ言語の条件を考えてからそれに合致するものを選んでから開始するということです。