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バイリンガルの分類

 「バイリンガル」とは一般に「二言語を使う人」という意味ですが、言語学の専門分野における定義はどのようなものでしょうか。

 実は、専門家によってその定義の仕方はかなり異なっており、定義づけ自体の難しさを物語っています。

 例えば、ブルームフィールドは「母語話者並に二言語を操れる者」と定義しています。

 その一方、ホーゲンは「バイリンガリズムの始まりは(複数以上の)完全な、意味のある発話を別の言語で行うことができる地点」と定義しています。つまり、ホーゲンは、たとえ挨拶程度の言葉を2、3知っているに過ぎない場合でも、バイリンガルの仲間入りをしたと考えられると主張していることになります。

 ブルームフィールドが最も厳しい定義とすれば、ホーゲンは最もゆるい定義となるでしょう。

 このように一口に「バイリンガル」といっても、専門家によって定義は異なるのですが、さまざまな専門家があげたバイリンガルを分類すれば次の表のようになります。

バイリンガルの分類
観点    
言語能力(均衡度) 均衡バイリンガル 偏重バイリンガル
言語能力(技能) 産出バイリンガル 受容バイリンガル
言語能力(変化) 上昇バイリンガル 後退バイリンガル
概念構造 複合型バイリンガル 等位型バイリンガル
習得開始年齢 早期バイリンガル 後期バイリンガル
習得時期 同時バイリンガル 継続バイリンガル
習得下状況 エリートバイリンガル 大衆バイリンガル
母語の喪失 付加的バイリンガル 削減的バイリンガル

 詳しく見ていきましょう。

(1)二言語の能力に差が無い場合が「均衡バイリンガル」、差がある場合が「偏重バイリンガル」です。

(2)「読む」「聞く」の2つの技能のみのバイリンガルが「受容バイリンガル」、4技能のすべてにおけるバイリンガルが「産出バイリンガル」です。

(3)第二言語が発達途上であるバイリンガルが「上昇バイリンガル」、母国語又は第二言語が衰退しつつあるバイリンガルが「衰退バイリンガル」です。

(4)翻訳すると同義になるそれぞれの単語が1つの概念に結びついているバイリンガルが「複合型バイリンガル」、2つの異なる概念である場合は「等位型バイリンガル」です。例えば、前者は「family」と「家族」がまったく同じ概念として記憶されているのに対し、後者は別々の概念として記憶されていることになります。

(5)第二言語の習得時期が子供の頃だったバイリンガルが「早期バイリンガル」、思春期以降であったバイリンガルが「後期バイリンガル」です。

(6)2つの言語を同時に習得したバイリンガルが「同時バイリンガル」、1つの言語の基本的な習得をしたのちに2つ目の言語を習得したバイリンガルが「継続バイリンガル」です。

(7)自ら選択した結果としてなったバイリンガルが「エリートバイリンガル」、生きていくためにならざるをえなくてなったバイリンガルが「大衆バイリンガル」です。

(8)第二言語を身に付けることでより豊かな状況が生み出されるバイリンガルが「付加的バイリンガル」、第二言語を身に付けることで母語の喪失につながるバイリンガルが「削減的バイリンガル」です。

 ブルームフィールドの定義する「母語話者並に二言語を操れる者」としてのバイリンガルに憧れを持つ人も少なくないでしょうが、自分がどのようなバイリンガルを目指しているのかをよく考えた上で学習を進めていくのが望ましいでしょう。

 

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