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新しい言語を学び始めるときの「沈黙期間」とは

 新しい言語を学び始めるとき、スピーキング、リスニング、ライティング、リーディングの4つの技能を同時に勉強したほうがいいでしょうか? それとも4つのうち、1つか2つの技能にしぼったほうがいいでしょうか。

 みなさんは、この点についてどう思いますか?

 まず、この点について考える前に日本人が学校で学ぶ言語について考えてみましょう。

 日本人のほぼ100%が少なくとも何年かは英語を学んでいるはずですし、大学を出た人のほとんどは仏語や独語などの第二外国語も学んでいるはずです。ですから中卒以上の人ならある程度の英語の知識、大卒以上の人ならそれに加え、第二外国語の知識もあるはずです。

 学校にいる間に学んだ外国語を卒業後も引き続き勉強する場合は、スピーキング、リスニング、ライティング、リーディングの4つの技能を同時に磨くことは理想的だと考えます。というのも、その基礎がしっかりできているからです。

 ただ、まったく新しい言語をゼロから学ぶときは一定の「沈黙期間」を設けたほうが良いという立場を取る専門家が多いようです。

 「沈黙期間」とは、平たく言えば、4つの技能のうち、リーディングとリスニングのみを磨く期間のことです。最初のうちはリーディングとリスニングに絞ったほうが、なまじっか4つの技能に神経を分散するよりも理解力が向上しやすい、とういわけです。

 実は、われわれ人間は母国語を習得するときも、しばらくの間、「沈黙期間」を設けているそうです。その「沈黙期間」の間に、両親や兄弟など周りの人たちが言っている内容の理解に努めているのです。(もっともこの場合の「沈黙期間」はリスニングのみに絞っているといえるでしょう)。

 ですから、ある言語を初めて学ぶ際に「沈黙期間」を設けるほうが自然な流れであって、最初から4技能を磨こうとするのはむしろ不自然な流れなのです。そしてこれは母国語だけでなく外国語を学ぶときも、学習者が子供の場合も大人の場合も同じだそうです。

 以上の理由により、まったく新しい言語を学び始める場合は、しばらくの間はリーディングとリスニングのみに特化した「沈黙期間」を設けたほうが理解力の向上も早そうです。

 では、どれくらいの「沈黙期間」が最も適切なのでしょうか? 

 期間は人によって変わってくるでしょう。ある人は数週間かもしれませんし、ある人は数か月、数年間かもしれません。理想的な「沈黙期間」が具体的に示されているのを見たことはありません。

 個人的な感想を言えば、たとえばフランス語の場合なら少なくとも仏検4級から3級レベルまでとか、ドイツ語の場合なら独検3級レベルまでくらいまでは「沈黙期間」でもいいのかなという感じがします。それくらいまではスピーキングもライティングも開始せずに、ひたすらリーディングとリスニングに集中するのです。

 もっとも、一刻でも早くスピーキングを練習したいという人もおられると思います。たとえば、海外出張が決まったとか、外国人観光客がよく訪れる職場に就職したとか、外国人の恋人ができたとか。そういう人であれば、悠長なことは言っていられませんね。

 言語習得に関しては個人差も大きく、絶対的に正しい一つの方法が存在するわけではないので、自分が気に入った方法で勉強するのが一番かもしれません。